Heidegger-
Forum
in Japan

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規約・組織
1) 規約
2) 創設趣旨
3) 主な活動
4) 会員=「賛同人」
5) 実行委員会
6) 組織の特色

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フォーラム渡邊賞

規約・組織 6)

組織の特色

 以下、組織としてのハイデガー・フォーラムの特色を、創設趣旨を補足する意味も込めて、若干述べておこう。

 α.ボランティアの精神
本フォーラムがふつうの学会組織と異なるのは、まずもって、特定の事務局(校)が想定されていないという点にある(便宜的な意味での連絡先としては、当面、第一期実行委員会の大会立案担当の責任者森一郎の勤務校である東京女子大学が、これに当たる。〒167-8585 東京都杉並区善福寺2-6-1 東京女子大学文理学部哲学科森研究室気付)。それゆえまた、事務局員に手当てが支払われるということも原則としてない。実務のほとんどすべては手弁当で賄われることとなろう。学閥の既得権益とははじめから無縁であるばかりか、学会における発表や投稿といった業績作りすら期待できない。つまり、ハイデガー・フォーラムの活動に見返りはない。「ボランティア」という語がもともと、義勇軍への自由志願者という意味であったとすれば、危機の時代になお哲学の可能性を信じる者たちの自発的参加を内実とするハイデガー・フォーラムとは、まさしく「ボランティア活動」そのものであろう。そして、まさにそれゆえにこそ、現代においてこの無償の営みは貴重な意味をもちうるのである。われわれは、人びとの自由な連帯と活動のよろこびを信ずる者たちでありたい。

 β.権力の分立という原理
組織としての代表という点に関して言うと、たとえば日本哲学会には「委員長」、日本倫理学会には「会長」、実存思想協会には「理事長」という役職がある。だが、日本現象学会にはそのような代表の制度はなく、委員会ごとに委員長がいるだけである。本フォーラムもこれにならって、代表はあえておかず、実行委員会の各小部門からそれぞれ責任者を決め、事に当たることとする。権力の分立が、権力の増大と連帯の拡大につながることを期待したい。なおこれとは別に、創設準備時の「呼びかけ人」をフォーラム創設後に「評議員」と改称し、自由な立場からの助言を仰ぐ。名誉職(つまり形式的役職)たるこの評議員には、「呼びかけ人」以外にも若干名委嘱の予定。ただし最高議決機関は、全賛同人の参加によって可能的に構成される「総会」にある。権力の分立は、実行委員会内にとどまらず、フォーラムの構成全体に及ぶことになる。以上をまとめると、
1.創設賛同者→フォーラム賛同人=総会参加者〔…共和制でいう「民会」メンバー〕
2.創設呼びかけ人→評議員〔…同じく、「元老院」メンバー、ただし助言を行なうのみ〕
3.準備室担当→フォーラム実行委員〔…同じく、「執政官」をはじめとする「政務官」〕
となる。このように、ハイデガー・フォーラムは、共和制に倣った一種の「混合政体」である。

 γ.全員参加の対等制
本フォーラムでは、実行委員会の負担軽減の意味も込めて、大会の応募発表者を決定するさい、選考過程に賛同人全員に参加してもらえるよう、一種の公開審査方式を実験的に採用することとする。つまり、あらかじめ提出してもらった発表希望内容レジュメ(名前は伏せる)を全員が閲覧できるようにしたうえで、支持票(記名式)を投じてもらい、その集計結果を参考にして発表者を選定する、というしくみである。この方式は、i) フォーラム参加者間の対等の原則に適っており、ii) 全員が評価作業に加われば、それだけ発表希望のさいの、また発表当日における、緊張が高まるというメリットもある。iii) 各学会でその公平性がしばしば取り沙汰される選考過程の透明度をいちじるしく高めることにもなろう。今日の技術水準により、従来のレフェリー制とはまた別の、そういった選抜法が可能となった。これは一例だが、その他フォーラム運営全般に関しても、現代技術を生かす知恵により、既存の学会組織とは一味ちがう、全員参加の「対等制(イソノミア)」の現代的可能性を、切り拓いてゆきたい。